シャンパンの特徴
発泡するタイプのワインはすべてシャンパン、と思っていないでしょうか。シャンパンという名称を付けるには、一定の条件が定められています。
そもそもシャンパンとは
日本では3気圧以上のガス圧がある発泡性のワインを総称してスパークリングワインとしています。シャンパンはスパークリングワインの一種ですが、すべてのスパークリングワインがシャンパンというわけではありません。
シャンパンとは、フランス北部に位置するシャンパーニュ地方で作られ、フランスの原産地呼称法(AOC法)にある規定を満たしたもののみに許された名称です。
シャンパーニュ地方は、ワインの原料であるブドウ作りに適した環境が整っており、品質の高いブドウの産地として知られています。
そして『原産地呼称法(AOC)』とは、フランスにおいてチーズなどの食品で特定の条件を満たしたものに付けられる品質保証をいいます。
シャンパンを含むワインにもこのAOC法の条件があり、生産地域はもちろん、ブドウの品種や栽培・剪定、製造方法に至るまで厳しい規定をクリアしたもののみが、シャンパンと名乗れます。
つまり、シャンパーニュ地方で製造されたスパークリングワインすべてがシャンパンではないのです。
シャンパンで使用するブドウの種類
上記のように、AOC法によってシャンパンと呼べるスパークリングワインに使用できるブドウは以下の7種類のみです。
- ピノ・ノワール
- ムニエ
- シャルドネ
- ピノ・グリ
- ピノ・ブラン
- プティ・メリエ
- アルバンヌ
これ以外の品種のブドウを使ったスパークリングワインは『シャンパンではなく』、別の名称となります。
シャンパンのランク
シャンパンには、ランクが存在します。多くのシャンパン生産者は、複数のランクのシャンパンを製造しており、そのランクは『3種類』に分けられます。
- ノンヴィンテージ
- ヴィンテージ
- プレステージ
ノンヴィンテージは最も一般的なランクで、生産量も最も多い『スタンダードなシャンパン』です。
ヴィンテージは同じ年に収穫されたブドウのみを使用し、『3年以上熟成したもの』です。年数の表記があるシャンパンは、このヴィンテージ以上のランクとなります。
そして最高級ランクに当たるプレステージは、最も良い品質のブドウを使い5年以上の熟成を行います。そのため、各生産者の個性が最も強く表れます。
シャンパン以外のスパークリングワインには何がある?
シャンパンは、フランス・シャンパーニュ地方で生産されたスパークリングワインを指しますが、その他にも世界のワイン生産国にはシャンパンと同様に独自のスパークリングワインがあります。
イタリアの場合
イタリア産のスパークリングワインとして知られるのが、『スプマンテ』です。炭酸が弱めの微発泡スパークリングワインは、これとは区別されて『フリッツァンテ』と呼ばれています。
スプマンテは、生産地ごとに生産方法や使用するブドウの品種、名称が異なります。イタリア北東部のヴェネト州産の『プロセッコ』やピエモンテ州産の『アスティ』などはスプマンテの中でも高い人気を持つ代表的な銘柄です。
スペインの場合
スペインでは、スパークリングワインを『エスプモーソ』と呼びます。イタリアのスプマンテと同様、スペインのエスプモーソも生産地とブドウの品種により種類が分けられています。
代表的な銘柄が、カタルーニャ産の『カヴァ』で、これは白ブドウ3種のみを使用し、熟成方法の規定をクリアしたもののみに使用されている名称です。
ドイツの場合
ドイツのスパークリングワインの総称が『シャウムヴァイン』で、微発泡のワインは『パールヴァイン』と呼ばれます。
シャウムヴァインもランクがあり、最高級ランクの『ゼクト』はさらに細かな規定により、複数の種類に分けられるでしょう。